多くのお客様にお届けするために~GABA高生産乳酸菌株の開発~



「大麦乳酸発酵液ギャバ」はGABAを90%以上含んでおり、今注目の機能性表示食品素材です。三和酒類では、原料として安定的にお客様にお届けするため、日々研究を重ねています。


機能性表示食品とは?

事業者の責任において、科学的根拠に基づき、特定の保健の目的が期待できる(健康の維持及び増進に役立つ)旨を表示するものとして消費者庁長官に届出をし、受理されたものの事です。


 

GABA高生産乳酸菌株の開発

「大麦乳酸発酵液ギャバ」は、乳酸菌を利用した発酵法により生産されています。

具体的な生産機序としては、乳酸菌が有するグルタミン酸脱炭酸反応により、グルタミン酸からGABAを生産しています。

 

グルタミン酸→(グルタミン酸脱炭酸反応)→GABA+二酸化炭素

 

三和酒類では、高いグルタミン酸脱炭酸反応を示す乳酸菌株FC301株を取得し「大麦乳酸発酵液ギャバ」の製造に用いています。

今後、より多くのお客様に安定的に原料をお届けするため、今回は、更に高いグルタミン酸脱炭酸反応を示す乳酸菌株のスクリーニングを行いました。

 

その結果が下記の通りです。

従来よりも高いグルタミン酸脱炭酸反応を示し、かつ増殖速度の速い新規株を開発することができました。

Fig.1グルタミン酸脱炭酸反応のタイムコース

 

グルタミン酸濃度の減少に応じて、培地中のGABA濃度が増加すると考えられることから、グルタミン酸脱炭酸反応の活性(GABAの生産活性)の指標にしました。

Fig.2 増殖速度のタイムコース

 

 

機能性表示食品における大麦乳酸発酵液ギャバの利用

大麦乳酸発酵液ギャバは、業界最多である以下の5つのヘルスクレームに対応した機能性表示食品素材です。

  1. 肌弾力維持
  2. 睡眠の質向上(眠りの深さ)、すっきりとした目覚め
  3. 活気・活力維持(落ち込んだ気分を前向きに)
  4. 血圧調整
  5. ストレス・疲労感緩和

 

GABAを関与成分とした機能性表示食品は、消費者庁の機能性表示食品データベースに405件もの届出がされており、業界トップクラスの受理数です(2021年5月6日現在)。

みなさんが食べたことのある製品のなかにも、大麦乳酸発酵液ギャバが含まれた製品があるかもしれませんね。

 

三和酒類では、皆様の健康をサポートする素材を安定してお届けできるよう、これからも研究を続けてまいります。

 

 


ライター紹介

辛島健文(からしまたけふみ)

技術士(生物工学)

研究成果をもとに、製造現場での実用化を担当。
持ち前の機動力を活かします!

 

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