食後の血糖値と発酵大麦エキス
本日は、血糖値についてのお話です。
ヒトは食事から炭水化物を摂取すると、体内でブドウ糖に分解され、血液中に取り込まれることで血糖値が上昇します。この時、すい臓からインスリンが分泌されると、血糖は筋肉や脂肪組織に取り込まれ、2時間もすると食事前まで血糖値が下がります。
ところが、2時間経っても血糖値が戻らない方(耐糖能異常)がいます。この場合、心疾患障害の発症や進展が認められることから、食後の血糖管理が重要であることが報告されています1)。
食後の血糖値を抑える方法としては、以前もこのサイトでご紹介した“野菜から先に食べる”「食べる順番療法」はとても手軽で効果的ですが2)、実はマウスを使った動物試験で、発酵大麦エキスにもその効果があることがわかりました。
発酵大麦エキスによる食後血糖上昇抑制作用
実験では、一晩絶食したマウスに炭水化物(マルトデキストリン)と発酵大麦エキスを投与し、15~120分後の血糖値を測定しました。
その結果、発酵大麦エキスを同時に摂取すると食後の血糖値が有意に抑制されていました(図1)。関与成分は不明ですが、発酵大麦エキスには、難消化性の糖が27%(固形分当たり)含まれているという結果もあることから、これらが関与しているのではないかと考えられています。

発酵大麦エキスによる食後血糖上昇抑制作用
板東範憲ら(日本栄養・食糧学会近畿支部大会2011年1月)より引用
今後も、未知なる可能性を秘めた発酵大麦エキスの研究を進めて、皆様の健康に寄与できるような情報を発信していきたいと思います。
- Tominaga M, et al. (1999) Impaired glucose tolerance is a risk factor for cardiovascular disease, but not impaired fasting glucose. The Funagata Diabetes Study. Diabetes Care 22: 920-924
- 今井佐恵子ら (2010). 糖尿病患者における食品の摂取順序による食後血糖上昇抑制効果. 糖尿病, 53(2), 112-115.
ライター紹介
主力商品「大麦乳酸発酵液ギャバ」の開発者。
次のヒット商品を開発中。
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