知っていますか?コロナフレイル



本来、「フレイル(≒虚弱)」とは加齢に起因する生活不活発により心身が虚弱することを意味します。しかし、最近は「コロナフレイル」という言葉を聞くようになりました。

 

コロナフレイルは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による生活の不活発化を引き金として起こるフレイルを意味する言葉として造語されました。

 

感染予防のため、家に閉じこもってほとんど運動していないという方も多いのではないでしょうか。

極端な例ですが、例えば2週間寝たきりになると、7年間の加齢に伴う筋肉損失量に匹敵する量の筋肉が失われるそうです。コロナ禍で外出を控えることはつまり、歩行機会が失われることにつながり、筋肉の量や質の低下を招く大きな原因となります。

 

コロナフレイルは高齢者だけと考えている方もいらっしゃるかも知れませんが、若い人や壮年の方にも決して無縁ではありません。

コロナ感染症がまん延する前はジムに通っていたのに、ジムが閉鎖されてトレーニングの機会を奪われたという方も多くいらっしゃるでしょう。ジムが再開されても、なかなか以前のようなパフォーマンスができない、筋肉量が低下して回復しない、という方も多くいらっしゃるようです。

 

また、コロナ禍で働き方も大きく変わりました。

テレワークが推進される昨今、公共交通機関を利用されていた方は、駅まで、あるいは駅からの徒歩が良い運動になっていたと思います。あるいは自転車で通勤されていた方はテレワークをすることにより、自転車に乗る機会が失われたことでしょう。

働き盛りの方も知らず知らずのうちにコロナフレイルに陥っているかも知れません。

 

 

3つのフレイル

フレイルは身体的フレイル(筋肉量減少による活動量低下)だけでなく、精神的フレイル(認知機能の低下、意欲・関心の低下、気分的なうつ状態)、社会的フレイル(外出頻度の低下)があります。これら3つの要因が相互に影響することで負の連鎖を起こし、加速度的にフレイル状態が進行していくということです。

 

 

フレイルを予防、改善するには

フレイルを予防、改善するには、(1)栄養、(2)運動、(3)社会参加の3つが大切と言われています。

 

(1)栄養

バランス良く栄養を摂ることが大切です。カロリーの摂り過ぎには注意しましょう。特に筋肉の基となるたんぱく質は意識して摂取することが大切です。たんぱく質は、1日60グラム以上を何回かに分けてとるようにするのが望ましいと言われています。

 

(2)運動

「少し疲れた」程度の無理のない強度の運動を継続していくことが大切です。例えばマスクを着用して近所を散歩することや、椅子からの立ち座り運動などが良いと思います。ただし、マスクを着用したままの運動は熱中症になる危険性が高くなりますので、十分注意して行って下さい。

 

(3)社会参加

以下のことに気を付けて家庭外の活動に参加してみませんか。

  1. 事前に参加人数を確認しましょう(人との距離を確保しましょう)
  2. 事前に十分な換気が行われるか確認しましょう
  3. マスクをしましょう
  4. 会場へ到着したら手洗い・消毒を行いましょう
  5. 食事はなるべく控えましょう
  6. 短時間の参加にしましょう

 

制約は多いのですが、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題に陥らないよう、外出してみましょう。

 

 

コロナフレイルとGABA

フレイルの予防・対策には栄養、特にたんぱく質の摂取が大切とお伝えしました。運動後、30分以内のたんぱく質摂取が筋力アップに効果的なのだそうです。更にGABAをたんぱく質と一緒に摂取すると、たんぱく質だけの摂取と比べ、筋肉増加量が10倍アップするという報告があります。

WP:ホエイプロテイン, WP+G:ホエイプロテイン+GABA

J Clin Med Res. 11(6), 428-434 (2019)

 

 

GABAには、ストレスを軽減させる作用や活気・活力が維持されることも報告されています。コロナ予防に、まずはたんぱく質と軽い運動、そしてGABAの組み合わせを試してみてはいかがでしょうか。

活気・活力に関するヒト(臨床)試験の結果


ライター紹介

上原絵理子(うえはらえりこ)

機能性評価のエキスパート。
健康に役立つ、確かなエビデンスを追究します。

 

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