特許権利化しました!~GABAはコラーゲンやエラスチンの合成を促進する~



特許6944240号

発明の名称「GABAを有効成分とする生体組織の線維性構造タンパク質の含有量を維持または増加するための剤」

 

 

肌の弾力と線維性構造タンパク質の関係

私達の肌(皮膚)の奥深くには「真皮」と呼ばれる層があります。

真皮層は、無数のコラーゲン線維が網目状に折り重なった構造をしていますが、ところどころエラスチンによって束ねられており、引っ張ると元に戻る性質があります。この伸び縮みする性質が、肌の弾力性の元になっています。

真皮の線維が正常な網目構造になっていればいるほど、弾力性が維持されます。

コラーゲンやエラスチンといった肌弾力の元となるタンパク質は線維性構造タンパク質と呼ばれています。

真皮層にある線維芽細胞(せんいがさいぼう)が、コラーゲンやエラスチンというタンパク質を作り出す役割を持っているのですが、細胞が作り出したタンパク質は次第に古くなっていくので、常に「更新」が必要です。

そのため、線維芽細胞を活性化させることが、真皮を更新し、肌の弾力性を維持することに繋がります。

 

GABAがコラーゲンやエラスチンの合成を促進する

三和酒類㈱は、GABAが線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生産を促進することを見出しました。

さらに、GABAは線維芽細胞の増殖に影響を与えているわけではないことも分かりました。

どういうことかと言いますと、肌の工場で働く線維芽細胞さんがいます。

この頃、加齢のせいか元気がなくなり、コラーゲンやエラスチンの生産量が少なくなっています。また、長い歴史がある工場では仲間もだんだん退職していきます。

そんな時GABAが支給されると線維芽細胞は元気になってコラーゲンやエラスチンをたくさん作り始めます。

退職した仲間は戻って来ないけれど、一人一人が生き生きと働き出し、工場の生産性は高まります。こうして肌の弾力は改善されることが分かったのです。

私達みんなが持つ肌工場にGABAを支給しましょう!

 

肌弾力に関する研究データ

私達の肌(皮膚)の奥深くにある「真皮」と呼ばれる層に線維芽細胞があり、コラーゲンやエラスチンといった弾性線維を合成しています。

そこで、ヒト由来線維芽細胞に大麦乳酸発酵液ギャバを与える細胞試験を実施したところ、コラーゲン遺伝子の発現が増加しました。

また、線維芽細胞は紫外線を浴びると、コラーゲンを壊す酵素を作りますが、大麦乳酸発酵液ギャバは、このコラーゲン分解酵素遺伝子(MMP-1)の合成を抑えることも分かりました。

更に、エラスチン遺伝子の発現が増加しました。また、遺伝子だけでなく、タンパク質レベルでの増加も確認しました。

これらの結果から、大麦乳酸発酵液ギャバは線維芽細胞によるコラーゲンやエラスチンの産生を促進し、更には分解酵素の生成を抑制することで、肌の弾力維持に役立つと考えられます。

 

肌弾力に関わるコラーゲンやエラスチンの合成をGABAが促進する効果については、三和酒類(株)が権利化しています。

 

間接的にもGABAが働く

研究データから、GABAは線維芽細胞に直接的に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの合成を高めることが分かりました。

さらに、GABAは、皮膚の水分を保持するために必要なヒアルロン酸の合成を促進することも報告されています[Biochim Biophys Acta, 1770, 291-296 (2007)]

 

また、GABAは副交感神経を優位にさせる作用があり、それによってストレスが軽減すること、睡眠の質が向上することで成長ホルモンの分泌が増加し、結果として肌のターンオーバーを活性化する効果が期待できます。

つまり、GABAは神経を介した間接的な作用によっても、肌の弾力維持に影響を与えます。

 

GABAは直接的にも、間接的にも肌の弾力維持に作用する優れたアミノ酸なのです。

 


ライター紹介

上原絵理子(うえはらえりこ)

機能性評価のエキスパート。
健康に役立つ、確かなエビデンスを追究します。

 

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