尿酸値が高めの人は要注意!プリン体の多い食べ物
お酒を飲む機会の多い方が注意したい数値、尿酸値。高い血中尿酸値は痛風の原因となり、一般的には尿酸値が8mg/dL以上になると、要治療とされています。
血中の尿酸は腎臓でろ過されて尿として排出されますが、1度に排出される尿酸の量はわずか。排出されない尿酸は血液に戻されてしまいます。血中尿酸値が高くなりすぎると尿酸は血液に溶けきれなくなって結晶化し、これが痛風による苛烈な関節痛をもたらす、というわけです。
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尿酸は、食品中に含まれる“プリン体”と呼ばれる物質を原料として、体内で生産されます。つまり、尿酸値を下げるためには、食品からのプリン体摂取量を抑えることが重要になります。
プリン体とはプリン骨格を持つ物質の総称で、食品中の旨味の成分になっています。核酸などに含まれるため、細胞数の多いもの、細胞分裂の盛んな組織にプリン体が多くなっています。
プリン体含有量の基準
プリン体は様々な食品に含まれているので、食事から完全に除去することは不可能です。
食品中のプリン体含有量(公益財団法人 痛風財団より)
http://www.tufu.or.jp/pdf/purine_food.pdf
そのため、プリン体を含まない食品を選ぶというよりもプリン体の多い食品を避けることが食生活改善のポイントになります。
プリン体が多いか少ないかは食品100gあたりの含有量で判断し、一般的には以下のような分類になっています。
300mg以上 極めて多い
200~300mg 多い
50~100mg 少ない
50mg未満 極めて少ない
※一日当りの摂取量は400mgが目安とされています。
特に注意したいプリン体の多い食品
上記で紹介した表では、プリン体を多く含む食品として、干しシイタケ(乾燥時)やかつお節なども挙げられていますが、このような食品は1度の食事で100gも食べませんので、あまり気にしなくていいでしょう。下記では、1度の食事量を考えたときに注意したい食品を紹介します。(文中の含有量は食品100gあたり)
1.あん肝
おつまみの定番、あん肝が最も注意したい食品第1位。
生の状態だと約100mgとさほど高い値ではありませんが、おなじみの酒蒸しの状態になると、約400mgとプリン体含有量が非常に高くなります。
2.レバー類
鶏レバーは310mg、豚レバーは280mg、牛レバーは220mgと、どの肉のレバーもプリン体を多く含んでいます。焼き鳥1本を約40gとすると、鶏レバーの焼き鳥3本程度で、1日の摂取量目安(400㎎)近くなります。レバーは鉄分やビタミンAなどが豊富で栄養価が高い食品ですが、尿酸値が高めの方は、ごくごくたまに、少量だけにとどめておいた方がよさそうです。
3.カツオ
魚類は概ねプリン体含有量が120~160mg程度となっており、食べ過ぎなければ問題ないレベルですが、種類によっては高い魚というのもやはり存在します。
カツオは210mgとやや高め。お刺身だと6~7切れで約100gです。
4.イワシ(マイワシ)
カツオに続いて、イワシもプリン体含有量が高めで、やはり210mg程度となっています。干物になると水分が抜けますので、300mg程度になります。
イワシは1尾で約100gですが、過食部分はその半分程度になるので、2尾で約100gになります。
5.エビ
プリン体が多くて美味しいものとしてご存知の方も多いのがエビ。クルマエビで約200mg、大正エビだと約270mgにもなります。
エビは見た目に比べて可食部分が少ないですが、1尾当たりの可食部分は、20~30g(頭を含まず)になります。
6.イカ
低脂肪、低カロリー、高タンパクな食品として人気のあるイカもプリン体含有量は高めです。ヤリイカで160mg、スルメイカだと190mg程度になります。
握り寿司のネタ程度の大きさで、8~10g程度になります。煮たり焼いたりすると、生の状態に比べて重さは2/3程度になるので、焼きイカや肝煮などは食べ過ぎに注意しましょう。
7.カキ
冬は真ガキ、夏は岩ガキと、1年中親しまれているカキ。産地によって味も異なるので、食べ比べが好きな方も多いのではないでしょうか。カキのプリン体含有量は180mgです。
カキは1つあたり15~20gなので、5,6個食べると約100gになります。
8.ササミ
海産物が続いてきましたが、最後に紹介したいのは鶏のササミ。低脂肪、低カロリー、高タンパクで、且つコレステロールも低いので、成人病が気になる方も安心できる食材ですが、プリン体含有量は153mgと、肉類の中では比較的高めです。極端に多いわけではないので神経質になる必要はありませんが、尿酸値が高めの方は覚えておくといいでしょう。
ササミ1本は約60gです。
痛風は1度かかってしまうと一生付き合っていかなければいけないので、できるだけ予防に努めたい病気です。特に制限されていない方が完全除去する必要はありませんが、少し数値が高めかな、という方は、1回の食事量にも注意してみてください。
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