培地窒素源としてのバーレックスの有用性
バーレックス及びバーレックスSは、発酵大麦エキスから作られた天然の微生物用培養基材です。
大麦に含まれるたんぱく質や炭水化物が焼酎白麹菌の酵素で低分子化されていることに加え、各種ミネラルが豊富かつバランス良く含んでおり、乳酸菌、 ビフィズス菌、酵母などの培地窒素源として適しています。
今回は、バーレックスの培地窒素源としての有用性を検証するため、バーレックス培地と実験用試薬培地での乳酸菌培養試験結果をご紹介します。
試験の概要
組成の異なる2種類の培地(バーレックス培地および実験用試薬培地)を用意し、組成以外は同じ条件の下で複数の乳酸菌を培養し、培養後の菌濃度を比較しました。
培養の対象には、以下の6種類の乳酸菌を用いました。
- Lactobacillus brevis NBRC 12005
- Lactobacillus acidophilus NCIMB 701060
- Lactobacillus fermentum IFO 3071
- Lactobacillus cremoris NBRC 3427
- Enterococcus faecalis NCIMB 8275
- Lactobacillus lactis ATCC 11454
培地組成
バーレックス培地
バーレックス5%+グルコース1%
実験用試薬培地
酵母エキス0.5%+ポリペプトン0.5%+グルコース1%
培養条件
使用器具 10mL/試験管
温度 30℃
時間 18時間
培養方法 振とう培養(Lactobacillus acidophilusのみ静置)
pH 7.0(初発)
試験の結果
試験に用いた6種類の乳酸菌の全てで、バーレックス培地は実験用試薬培地よりも優れた増殖を示しました。